「神経症」「うつ」「HSP」のお悩み克服 精神心理カウンセラーの堀川です🍀🍀🍀。
今回は、「苦痛になりきること」と「弱くなりきること」について森田先生が語られたこと、そして「ご相談者から頂いた体験と感想」について投稿させていただきます。
「苦痛になりきる」
上に挙げた例は「滅」のほうで、苦痛はそのまま苦痛になりきるということで、頭痛でも不眠でも、苦痛不安のままに、そのまま我慢して働いていさえすれば、いつしかその苦痛も意識から離れて忘れてしまうのである。
次に「生」のほうでいえば、生の欲望になりきることであって、エジソンや野口英世などという人は、一心不乱に研究に没頭してしまうから、苦痛も寝食も忘れてしまうようになる。
課長に頼みたいけれども恥ずかしい。旅行したいけれども、心悸亢進が恐ろしい。このような場合にも、いたずらに欲望と恐怖との二途に迷うことをやめて、恐怖は恐怖そのままに、欲望に向かって突進する時に、初めて生滅が尽きて、安楽の境地が得られるのある。
難しい理屈をいえば、果てしもなく込み入ったものになるけれども、実際の実行は簡単なもので、なんの雑作もない。ただ「苦しいままに素直に、現在の境遇に服従すればよい」ということになる。(『森田正馬全集第5巻』)
「弱くなりきる」
なお赤面恐怖の人に、一言注意したいのは、自分が小さい、劣等である、どうにもしかたがないと、行きづまった時に、そこに工夫も方法も、尽き果てて、弱くなりきる、ということになる。この時に自分の境遇上、ある場合に、行くべきところ、しなければならぬことなどに対して、静かにこれを見つめて、しかたなく、思いきってこれを実行する、これが突破するということであり、「窮して通ず」ということである。
すなわち「弱くなりきる」ということは、人前でどんな態度をとればよいかという工夫の尽き果てた時であって、そこに初めて、突破・窮達ということがあるのである。
この「弱くなりきる」でなく、たんに付け焼刀で、空元気で突破するという時は、たまたまこれが成功して、自分もやれば、やれるものということを知り、恐怖が軽快したようになるけれども、これは再発を免れないのである。(『森田正馬全集第5巻』)
★「ご相談者から頂いた体験と感想」
わたしは、15歳の時に対人恐怖症にとらわれ、長い年数、悶々と苦しい日々を過ごしてきました。しかし、堀川先生のカウンセリングを受けたとき、真っ暗闇のトンネルの先に一筋の明かりが見えた気持ちになりました。
その後、堀川先生のカウンセリングを受け続け、森田療法の理解と目的本位の行動を続けてきたおかげで、現在は建設的な人生が送ることができています。
~かくあるべし像~
対人恐怖の症状が強かったころは、自分の弱さを隠すために、職場の上司や同僚に対して「自分の空想であるかくあるべし像」を創っては、カラ元気で振る舞い、いかにも気の利いた明るい人間を演じていました。しかし、そうすればするほど、逆に苦痛が強くなり、人を避けたい衝動に駆られるばかりでした。堀川先生のカウンセリングを受けるうちに、それは「自然の感情」に抵抗し、「思想の矛盾」であることに気が付きました。
~弱いままの自分~
「弱いままの自分でいいんだ!」と、受け入れるように心掛け、ありのままの自分で生きていくことにしました。そうすると、いつの間にか不思議と気持ちが楽になり、人間関係のバランスも取れるようになり、今なすべきことや、自分がやりたいことを思いきってできるようになっていきました。少しづつできることも増えていき、日常生活が向上していくのが実感できるようになりました。
~実践と体得~
神経症の症状が薄れてきた頃の出来事も忘れることができません。
対人恐怖への「とらわれ」が軽くなってきたころ、何か気分が鬱々と続くことがありました。そのような中のある日、会社で企画のプレゼンテーションを行うことになり、数週間前から強い不安と苦痛が襲ってきました。
その時、堀川先生から、「不安・苦痛をそのまま素直に受け入れて、不安・苦痛になりきるように心がけましょう!」と助言をいただきました。
とても辛い準備期間と時間でしたが、しばらくすると、苦痛ではあるものの、不思議と心が思ったよりも平穏なことに気付きました。わたしのプレゼンを見ている上司や同僚たちの顔を見ることもでき、質問もしっかりと耳に入り、緊張しながらも、的確に発言することができました。
この経験で、「苦痛になりきる」「弱くなりきる」ということを体得できたと、いまでも貴重な思い出として「心」に残っています。
今回の投稿は以上となります。
「あなたは独りではありません!!」
私と一緒に、「神経症」「うつ」「HSP」の悩みや生きづらさを克服しましょう🎵!
無断引用&転載はご遠慮ください
Copyright©Calme du coeur All Rights Reserved.